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お客さまは誰?

あなたのお店のお客さまは、どんな方ですか?

「若い人から年配まで、幅広い客層に来てもらってるよ」

というお店は、近い将来が不安です。
確固たるお店のイメージができていないからです。

お店のイメージは、創り出すものです。
つまり、どんな商品をどんな人に売るのかを
明確に示していなければ、創り出せないのです。

単純に考えると、幅広い層の人に来てもらった方が、
たくさん売れるだろう、となるのですが、
そんなお店を創り出すことは
不可能だと言ってもいいでしょう。
かなり難しいことです。

モノが溢れているいま、お客さまの欲求は、
多様化・複雑化しているので、
そのすべてに応えることはできません。

また、欲求に応えようとすると、
お店のコンセプトが曖昧になり、
かえって誰も見てくれなくなります。

できる限り、ターゲットを絞り込む必要があります。

私がブランドの企画をする場合は、
必ず、ひとりの人物を設定して、
その年齢・性別・年収・住居・ライフスタイルなど、
すべてを具体的にイメージして、
ターゲットを決定します。

この作業をしなければ、
どう売り込むかという方法さえ浮かびません。

あなたは、宣伝・広告を考える時、
ターゲットを考えていますか。

チラシを打てば人が来る、なんてことはありません。

誰に対して、アピールしているのかが
わからないチラシは、誰も見てくれないのです。

見てくれないチラシは、ただのゴミです。
わざわざお金を払って、
各家庭にゴミをばらまいているのです。
あまりにも“もったいない”。

ターゲットを絞らないチラシは、
何度打っても、効果がありません。
誰にアピールするのかをじっくり考え直してください。

あなたのお店によく来てくれるお客さまを
思い描いてください。

そのお客さまひとりに、
話かけるようにチラシを作ればいいのです。

そのお客さまひとりに、
喜んでいただける店づくりをすればいいのです。

お店のイメージづくりは、ここから始まるのです。


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先代の心意気。

私が利用している自動車の修理屋さんがあります。
同じ地区に住む方が家族・兄弟で経営されています。
12年前に移住して来た時から、お世話になっています。

ここのおやっさんは、人当たりが良く、
丁寧な言葉遣いで、簡単な修理なら、
「お金はいいですよ」と言ってくれるような方です。

私が事故に巻き込まれて、
バックミラーが潰れてしまった時のことです。

もうすぐ廃車にする予定の車だったので、
廃車されている車の中から、
使えるものはないかと相談したら、
余っているからと、
新品のミラーを取りつけてくれました。

お金は払うからと言っても、
受け取ってくれませんでした。

ファンベルトの調整もタダにしてくれます。

ラジエターの水が漏れていた時も、
廃車から部品を探し出してきて、
数百円の手間賃だけで、済ませてくれました。

こんなことをしていると、
私からは儲けることができないような気がしますが、
そうではありません。

私は、必ずここで車検を頼んでいました。
安いところと比べると、3万円ほど高かったのですが、
おやっさんにお世話になっているので、
車検で儲けて欲しかったのです。

特に親しいわけではありませんが、
同じ地区に住み、
客と修理屋さん以上の温かいものがありました。

ところが……

おやっさんが喉頭ガンの手術をして、
あまりウマくしゃべれなくなり、
その息子が経営の中心となりました。

それから、客の数は少なくなっていきました。

私が修理を頼んだ時、
ついでにファンベルトの調整も頼んだのですが、
調整料だけに2000円も請求されました。

修理そのものは万単位の金額なので、
これまでのつき合いを考えれば、
調整くらいはサービスしてもいいと思うのですが、
しっかりと取られました。

他の修理の時も、
これまでなら、廃車の中から部品を探してくれたり、
余っているものを使ってくれていたのですが、
必ず新しい部品を注文するようになりました。
すべてが高くなったのです。

それから、車検を頼むのはやめました。
おやっさんには申し訳ないと思いますが、
こんな商売をされては、頼む気になりません。

おやっさんの時には、
儲からなかったのかもしれません。
儲ける商売をすることは大切です。

しかし、先代から利用している常連さん相手に、
こんなやり方はいけません。

二代目というのは、いろんなしがらみがあって、
自由に商売をすることは難しいとは思います。

新しいことを始めていかなければ、
将来が不安なのもわかります。

だとしても、先代が大切にしてきたものを
捨て去ることはできません。
してはいけません。

先代の心意気を大切にしながら、
次の手を考えていくべきです。

一から商売を始めた方も、先達の教えをじっくり考え、
肝に銘じておくことが大切です。


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「お奨めは何ですか?」

「うちは、どれもお奨めです」

あなたもよくご存じのやりとりですよね。
こんなお店はダメだ、という例えで、よくでてきます。

“お奨めはこれだ!”というものが無いお店は、
流行らないのです。
これは、疑いようのないことです。

しかし、お奨めが無いのに、
行列ができているお店があります。
それは、商品がひとつしか無いお店です。

主張はひとつ。“これだけ!”

埼玉県に、「わらじかつ丼」で有名なお店があります。
ラード100%で揚げたかつをタレに浸け、
ついたタレをごはんに垂らしながら、
上にかつをのせます。
玉子は使っていません。
メニューは3つ。

かつ丼(2枚) 800円
大もり    900円
子ども用   700円

かつとごはんの量に差があるだけです。
お客さまは、自分に合った量を選ぶだけ。

失礼ながら、決してキレイとは言えないお店ですが、
大繁盛しています。

“かつ丼を喰う”という明確な目的を持って、
お客さまが来てくれるので、
店主としては迷うことなく、
味を追求することに集中できます。

こうしたお店は、永年のファンを持っており、
やがて老舗と呼ばれるようになります。

主張のハッキリしたお店は、
流行るか流行らないかもハッキリしています。

地域のお客さまに受け入れられなければ、
すぐに潰れますが、一旦受け入れられると、
永く繁盛させることができます。

兵庫県には、穴子寿司だけの寿司屋さんがあります。
カウンターに座ると、
何も言わなくても、穴子寿司が出てきます。

東京には、コロッケパンだけを
売り続ける老夫婦のパン屋さんがあります。

たこ焼き、たい焼きのお店なども、
主張はひとつですよね。

もとはと言えば、露天・屋台と同じことです。
何でも売っている屋台なんて、
面白くもないし、興味もわきません。

“これだ!”というハッキリしたものが無いと、
強力なアピールができないのです。

飲食店以外の話をしましょう。

美容室で考えてみると……

・どんなヘアースタイルも卒なくこなし、
 料金もほどほどのお店。

・ストレートパーマなら、どこにも負けないが、
料金はやや高め。

どちらのお店が、流行っているでしょうか。

前者は常連さんが多く、儲けもほどほど。
しかし、世代が変わるとどうなるでしょう。
外にアピールするものが無いので、
徐々にお客さまは減っていきます。

後者は、多少流行に左右されるものの、
ストレートにしたいお客さまは、遠くからでも、
やって来てくれます。
「ストレートパーマはここ!」
というアピールが、ずっとできます。

流行っているのは、後者なのです。

主張の無い前者は、下降線を。
『たったひとつの売り』がある後者は、流行るのです。

政府が、商店街・小売店を活性化させるために、
「一店逸品運動」を推進していますが、
これなども『たったひとつの売り』と同じ考え方です。

残念ながら、その方法が間違っているために、
成功事例は少ないのですが。

かつ丼や穴子寿司のお店は、
極端な例かもしれませんが、
売りがたったひとつなら、
それだけ、その商品に注力できるということです。

あなたのお店の“売り”をじっくり考え直してください。


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ある日の新聞に載っていた、
読者の投書をご紹介します。



長女は9月、九州を旅行した際、
夜行バスで帰る予定でしたが、
台風の影響で、飛行機や新幹線が
いつ運休になるか分からない状況になりました。

飲食店などが早々と閉店する中、
長女は出発時刻の午後11時まで、
どこで時間をつぶせばいいのか、
途方にくれたそうです。

そんな時、長女は小倉駅前のホテルの玄関に
張り紙を見つけました。

「足止めをされて困っておられる皆様へ。
 当ホテルの4階にてお部屋を開放いたしております。
 遠慮なくゆっくりおくつろぎください」

部屋では湯茶の用意が整い、
食べ物も持ち込み自由とのことで、
長女はホテル内のベーカリーでパンを買うなどして、
出発まで安心して過ごすことができました。

道行くすべての人をお客様とみなし、
状況に対応したホテル側の粋な計らいだったようです。
実にさりげない最高のおもてなしだと感じました。



あなたはこの投書を読み、何を感じましたか?

「心配りのある、優しい人がオーナーなんだろうなぁ」
ですか。
「ウマく宣伝したなぁ」ですか。

確かに、ホテル内のベーカリーで、
パンが売れるだろうという予想はあったかもしれません。

親切にしておけば、
次回利用していただけるかもしれません。
すべて計算かもしれません。

しかし、この女性はどう感じているでしょう。
「宣伝なんだから、気にせず利用すればいいや」
と思ったでしょうか。
違いますよね。

ありがたい。助かった。
心遣いに感動したことでしょう。
心がぽっかぽかになったはずです。

優しさなのか、計算なのかは別として、
人の役に立ったことは間違いありません。

これは、商売人として
『すべて、人はお客さま』という想いがあればこそ、
できることです。

宿泊客以外は関係ない、という意識でいるなら、
こんな親切は考えることすら無かったはずです。

宿泊客は、もちろん一番大切なお客さまです。
しかし、外を歩いている人もお客さまなのです。
これを忘れている店主がたくさんいます。

あなたのお店なら、こんな時、何ができますか。


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『デンマーク地鶏のこんがり炭火ブロシェット』

この料理名を見て、
あなたはどんな料理を想像しますか?

「ブロシェット」というフランス語をご存じの方は、
鶏の串焼きだということはわかります。

「炭火串焼き」という名前だったとしたら、
焼き鳥のようなものだということはわかります。

どちらにしても、
「デンマーク産地鶏」「こんがり炭火」「焼き鳥」
という響きから、“美味しそうだ”“どんな味だろう?”と、
興味を示すのではありませんか。

実は、この鶏肉、2kg680円で売っている
冷凍の業務用なのです。
この鶏肉の産地を見ていて、
私がこの料理名を考えました。

言ってみれば、あまり上質ではない安い鶏肉です。

正体を知ってしまうと、
「そんな安いもの、大丈夫なの?」
と、思ってしまいますよね。

これは、どちらも先入観で見ているから
起こる感じ方なのです。

一方は、“なんとなく”かっこいい名前による、
“美味しそうだ”という先入観。

もう一方は、輸入ものの安い鶏肉という先入観。

同じものなのに、名前ひとつで、
印象が大きく違ってきます。

実際に調理すれば、味つけ次第で、
“安いもの”のイメージはなくなります。
(“本物の”プロにはわかりますが)

私が言いたいのは、
安いものを高く売る方法ではなく、
先入観を持たずに、
「戦術」を考えて欲しいということです。

簡単に言うと、
「輸入モノの安い材料はダメだ」ではなく、
どうすれば美味しくできるか、
どうすれば美味しそうに見えるか、ということです。

これは、料理だけではなく、
他の商品・サービスにおいても言えることです。

商品・サービスの良さを、
どう見せるか、どうアピールするか。

角度を変えて、見てください。
陳列は? 商品名は? キャッチフレーズは?

自分の先入観を捨て、
お客さまの先入観を研究してみてください。
言葉は悪いのですが、
「先入観を利用」するのです。

もちろん、嘘は絶対にいけませんが、
多少の“ハッタリ”は、許されます。

それが、お客さまの満足につながるのなら、
という前提ですが。

『デンマーク産地鶏のこんがり炭火ブロシェット』
という料理名に嘘はありませんが、
言葉による“ハッタリ”があります。

産地がデンマークではなく、
中国やタイなら、どうでしょう。
「安いもの」という先入観しかありませんよね。

「炭火焼き鳥」だけだとしたら、
特に印象には残りませんよね。

そして、もうひとつ。
「地鶏」という言葉。

これは、実際に確認しなければ使えませんが、
「地鶏」というだけで、
“美味しそうだ”という先入観を
持っている方も多いと思います。

日本の場合でいうと、
昔から日本にいる種類だと思っている方が
大半でしょうが、実は違います。

在来種と外来種を掛け合わせたものにも、
「地鶏」という表記が認められています。

つまり、在来種の血が入った、
その地域独自の品種ならば、「地鶏」と呼べるのです。

業界団体の「嘘」のような気もしますが、
それを仕入れるお店には責任はありません。
堂々と表記してもいいでしょう。

話が逸れましたが、先入観はいたるところにあります。

全国いろんな地域で、
産品のブランド化に取り組んでいますが、
結局は、“どう売るか”なのです。

ブランドの中身はハッタリが多くありますが、
“品の良いハッタリ”は、お客さまを満足させます。


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西日本高速道路は、
サービスエリアやパーキングエリアの
レストラン・売店に、
5段階評価のシステムを導入しています。

外部専門家による調査を実施し、
低い評価が続けば、そのお店は退店させられます。

これは、利用者にとって、非常に好ましいことです。

特にレストランでは、
これまで「高い、マズい、遅い」が、
平然とまかり通っていましたから。

一般道にあるお店なら、とっくに潰れているはずですが、
“他に無い”ので、利用者は仕方なく入っていたのです。

つまり、競争の無い、“楽”な経営を続けてきたのです。

羨ましいですか?
本音としては、羨ましいですよね。

しかし、結局はこの評価システムの導入で、
“自店との競争”を迫られたことになります。

これが、商売の本来の姿で、
お客さま第一主義なのです。

競争の無いお店は、進歩しませんし、
儲けることもできません。

そのままでは、“退店”せざるを得ないことになります。

あなたのお店は、“競争”していますか?

「競争するのは大変だよ。
 うちみたいな小さなお店では、その力も無いし」

こんな店主は、“退店”するしかありません。
もう、お店はやめてください。

がんばっているあなたに、
『競争への対処法』のヒントを少し。

■競争にならない、商品・サービスを創る。

これは、ライバルの少ない商品・サービスを
考えるということです。
つまり、「他に無いもの」です。“自店との競争”です。

■競争の無い地域に移る。

ライバルがいなければ、独占市場です。
しかし、高速道路のようにならないためには、
これも“自店との競争”を忘れないように。

■競争を楽しむ。

「面倒だ」「無理だ」という、マイナス思考では、
良いアイデアは絶対に浮かんできません。

『戦略』を練るのは、面白いことなので、
めいっぱい楽しんでください。

考えた戦略が、まんまと成功した時の感動は、
非常に大きなものです。

この感動をあなたも味わってみてください。
どうせ、やらなければいけないのなら、楽しみましょう。


サービスエリア・パーキングエリアの
レストラン・売店から、有名店が生まれれば、
それだけを目的に
高速道路を利用する人が出てくるはずです。

すると、全国で“楽しい競争”になるかもしれません。


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横浜の中華街は、何度か行きましたが、
長崎の中華街には行ったことがありません。
一度は,行かなければいけないと思っています。

神戸は、昔から通っていましたから、
長崎へ行けば、三大中華街制覇です。

もし行くなら、佐世保にも行こうと思っています。
それは、佐世保バーガーを食べるためです。

1951年(昭和26年)、日本初のハンバーガーが、
佐世保米軍基地から、この地に伝えられました。
つまり、日本における発祥の地なのです。

私が知っているハンバーガーは、
大手チェーン店のものだけです。
アメリカのダイナーで食べるような、
デッカい本物を食べてみたいのです。

と思っていたら、大阪に「ログキット」という、
佐世保バーガーのお店ができました。
これは行かなければ、とワクワクしました。

第一の感想は、「旨い!これが本物かぁ!」
マクドナルドやモスバーガーとは、
まったく違う食べ物のように思えました。

私が食べたのは、佐世保バーガーR 860円。
とにかくデカい。
普通の男性でも、
お腹いっぱいになるような大きさです。

パテも旨い。ベーコンも分厚い。
食べごたえありで、860円は納得です。

佐世保バーガーS 560円もありますが、
こちらはマクドナルドと同じくらいの大きさです。
挟んであるものの量が違うので、
高さがまったく違いますが。


美味しい。しかし……

大阪梅田店はイートインが無く、持ち帰りのみです。
周辺の広場やその場で食べる人もいます。

「ログキット」は、ファストフードではなく、
スローフードだとうたっていますが、
お店でゆっくり食べることができないと、
マクドナルドと同じように感じてしまいます。

確かに、手間のかかる作り方をして、
味も違うのですが、
店舗を見る限り、ファストフード店です。

ファストフード店のハンバーガーが、
560円では、やはり高いのです。

特に、大阪のシビアなお客さまが、
買い続けてくれるかどうかは、疑問です。

最初は、物珍しさで飛びつきますが、続きません。
モスバーガーの高級バーガーも、
売り上げが落ちてきています。

ハンバーガーは、立派な食事です。
しかし、所詮ハンバーガーです。
高級料理ではないのです。
それなりの価格があるはずです。

また、地域性も関係してきます。
発祥の地・佐世保では、
食文化として定着しているからこそ、
みんなが日常食べるのです。

全国の食文化が集まる東京なら、
問題は無いでしょうが、
粉もん文化の大阪には、
「たこ焼き」というファストフードがあります。

そこに入り込み、定着させるのは、難しいと思います。
いまのところは、売れているようですが。

美味しいのは捨てがたい。
他の種類も食べてみたい。
問題は、その後。


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震災後の神戸・南京町(中華街)。

昔とほとんど変わっていないようにも見えます。
被害の大きかった長田界隈を見ていないので、
何とも言えませんが、
昔のままに復興したように見え、
神戸の人たちの「力」を感じます。

南京町の建物は変わっていないのですが、
商売のスタイルが大きく変わっています。

まるで、縁日。
道の両側に屋台が並び、たくさんの点心が美味しそうに、
通る人に呼びかけているようでした。

昔も屋台はありましたが、
ほとんどは中華料理店と中華食材店でした。
ガイドブックを見ないと、どこのお店に入ろうか、
迷ってしまうほどでした。

食事をするのが、“賭け”だったのです。
美味しいお店に当たればいいのですが、
そうじゃなければ、一食損をした気分になります。

いまでは、料理店がどこにあるのかを
探さなければいけないくらいに、屋台ばかりです。

私は、縁日のような、いまのスタイルを歓迎します。
あれこれ珍しいモノを、安く食べられますから。
本当に、楽しいですよ。

しかし、地元の人にとっては、どうでしょうか。
屋台に力を入れるために、
中華料理店を閉めてしまっている場合もあります。

馴染みのお店が、無くなったのです。
これでは、淋しいのではないでしょうか。

どちらの方向が良い悪いというのではありません。

地元に根づいた商売をするためには、
「味」を追求し続け、
中華料理店として、やっていくべきです。

しかし、神戸は観光地。
観光客相手なら、現在のような屋台は喜ばれます。

店主の考え方次第ですが、やはり南京町は観光地です。
屋台スタイルを徹底して、
「中華の屋台街」を極めるつもりで、
頑張って欲しいと思います。
そうなるのが、私としては楽しみです。

たくさんある屋台で気づいたことを。

流行っている屋台とそうではない屋台。
その差は、何でしょうか。

「味」でしょうか。
いいえ、観光客ではそこまでわかりません。

「屋台の見ため」でしょうか。
どこも同じで、特に目立ったお店はありません。

それは、店員の『動き』だったのです。

・やたらと人に声をかけ、
 うるさいくらいの呼び込みをする店員。
 近づこうものなら、絶対に買わなければいけない
 雰囲気になってしまいます。
 こういう屋台には、あまり人はいません。

・聞こえる程度の声で呼び込み、じっと立っている店員。
 近づきやすいのですが、店員に見られているようで、
 やはり買いづらいのです。

・大きな声で呼び込んでいるのですが、
 動きまわっていて、お客さまを見ていない店員。
 実は、こういう屋台に人が集まっています。
 近づいて、じっくり品定めできます。
 店員にじろじろ見られることもありません。
 大きな声を出しているので、雰囲気も明るい。
 しかし、“これください”と言うと、
 すぐに対応してくれます。
 本当は、お客さまを見ていないようで、
 ちゃんと見ているのです。

最後の店員のいる屋台が、もっとも流行っているのです。
店舗でも同じだということは、あなたもご存じですよね。

実践していますか。
お客さまの気持ちを読み取ることが大切です。


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随分以前のことですが、
ユニバーサルシティウォーク大阪にある、
「大阪たこ焼きミュージアム」へ行きました。

大阪の有名たこ焼き店5店舗が集まった空間です。

元大阪人としては、
一度は行かなければなるまい、と思っており、
楽しみにしていました。
しかし、期待は裏切られました。

私のまったく個人的な感想として、
お読みいただきたいのですが、
大したことありませんでした。

期待が大き過ぎたのかもしれませんが、
美味しくありません。

確かに、大阪では有名なお店ですし、
それぞれに特長があります。
お客さまもたくさん入っています。

私は、5店舗すべてのたこ焼きを食べてみましたが、
“これは!”と思うものがありませんでした。

どうしてだろう?と、あれこれ考えてみて、
あるたこ焼き店との共通点を見つけました。

それは、「演出」のウマさばかりが目立っており、
「商品力」が弱いということです。

あるたこ焼き店とは、
さまざまな商業施設に出店している、
有名チェーン店のことです。

たこ焼きの仕上げに油を注ぎ、揚げたこ焼きにし、
ねぎをたっぷりのせるのが特長です。

このお店は、店員の手さばきの早さや
店員間の流れ作業のウマさ、
そして、やたらとデカい声で作業の解説をしたり、
お客さまを呼び込んでいるのも特長です。

たこ焼きミュージアムのお店でも、
まったく同じことをやっているのです。

「見せる演出」と「聞かせる演出」で、
お客さまに“驚き”を与えているのです。

美味しいと思い込ませているだけです。

たこ焼きという食文化は、
地元商店街の小さなお店でおばちゃんが焼いていたり、
駄菓子屋の店先で焼いているものです。

狭い地域内で、ほんの数店が
競い合っているに過ぎないもののはずです。

その周辺の人間が、その中から、
美味しいお店のファンになって、
“おやつ”として買って帰るのです。

地域に根づいている食文化です。

時には、美味しいお店があるからと、
遠くまで行くことはありますが、
そのお店がチェーン店化されていないから、
行くのです。

ここに出店しているお店も、
最初は地域に根づいた商売をしていたはずです。

しかし、そんなお店でも、儲かると次々にお店を出し、
たこ焼きの味を落としていくのです。

それは、ごく当然のことで、
店主の眼が届かなくなると、
少しずつ味は変わるものです。

さらに、お客さまに“ウケる”商品を
考えるようになります。

すると、メニューが増え過ぎ、
ひとつひとつにこだわりがなくなっていきます。

チェーン店化を否定しているわけではありません。

ビジネスとして、勝機があるのなら、
やればいいいでしょう。

しかし、「老舗」にはなれません。

本当に美味しいたこ焼きを食べて欲しい、
という情熱を持っている店主にはお奨めしません。

眼の届く商売は、3店舗が限度だと思います。
しかも、1日でまわれる距離にあること。

全国チェーンにしたいとか、
上場したいと言われる社長がいますが、
本当にそれでいいのでしょうか。

お店が大きくなるほど、自分の存在は小さくなります。

ましてや上場すると、自分のお店ではなくなります。
最近の経済界を見れば、わかることです。

自分の眼の届く範囲の商売をすることが、
本当の商売人、本物の商売なのです。

たこ焼きミュージアムには、
たくさんのお客さまが来ていますが、
それは場所が良かっただけです。

USJに来た全国の人が、
大阪の味を楽しみたいと、立ち寄るからです。

しばらくは、繁盛するでしょう。
大阪人は、一度行けば、もう行かないと思いますが。

たこ焼きは、パフォーマンスで
売るような食べ物ではありません。
どちらかと言うと、地味です。

しかし、地域の人に愛されている“おやつ”なのです。

その文化の範疇から飛び出し、
たこ焼きを広めようとする動きは、
歴史あるたこ焼き文化そのものを
破壊するものではないかと心配しています。

少し大袈裟かもしれませんが、
儲け主義に走る商売人に、警鐘を鳴らしたいのです。


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ちょっと贅沢。

相変わらず、支出を抑える、
厳しい暮らしが続いています。

しかし、ここへきて、
若干消費傾向が変わってきています。

不要なものは安くても買わない、
ということに変わりはありませんが、
「質の高いものを求める」動きが出てきました。

高級なものということではなく、
あくまで手の届く範囲で、
ちょっと頑張れば買えるものです。

『ちょっと贅沢』

これを楽しむ人が増えてきたのです。
特に、食に関する分野では顕著です。

最近、全皿100円の回転寿司が、
頭打ちになってきました。
「庶民の味方で美味しいから、流行っているでしょ」
と思われるでしょうが、
その美味しさにも、100円では限界がありました。

お客さまは、たとえ一皿200円、300円でも、
もっと良いネタを食べたいと思うようになったのです。
安いだけではなく、「質」を重視し始めました。

日常食べる食材は、激安店で買っていても、
百貨店に行って、
休日用のワインやチーズを吟味しているのは、
『ちょっと贅沢』な楽しみ方なのです。

旅行でも、その傾向はあります。
「リッツカールトンに泊まる」や
「プールつきヴィラ」などに、人気が集まっています。

しかし、これらは決して豪華な旅行ではなく、
ほんの少し金額を上乗せするだけで
楽しめるプランなのです。

いまや、低価格だけが
お客さまを集めるわけではありません。

まして、個人商店は
価格競争で大手に勝てるわけがありませんから、
『ちょっと贅沢』をプロデュースしてみましょう。


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