あなたのお店のお客さまは、どんな方ですか?

「若い人から年配まで、幅広い客層に来てもらってるよ」

というお店は、近い将来が不安です。
確固たるお店のイメージができていないからです。

お店のイメージは、創り出すものです。
つまり、どんな商品をどんな人に売るのかを
明確に示していなければ、創り出せないのです。

単純に考えると、幅広い層の人に来てもらった方が、
たくさん売れるだろう、となるのですが、
そんなお店を創り出すことは
不可能だと言ってもいいでしょう。
かなり難しいことです。

モノが溢れているいま、お客さまの欲求は、
多様化・複雑化しているので、
そのすべてに応えることはできません。

また、欲求に応えようとすると、
お店のコンセプトが曖昧になり、
かえって誰も見てくれなくなります。

できる限り、ターゲットを絞り込む必要があります。

私がブランドの企画をする場合は、
必ず、ひとりの人物を設定して、
その年齢・性別・年収・住居・ライフスタイルなど、
すべてを具体的にイメージして、
ターゲットを決定します。

この作業をしなければ、
どう売り込むかという方法さえ浮かびません。

あなたは、宣伝・広告を考える時、
ターゲットを考えていますか。

チラシを打てば人が来る、なんてことはありません。

誰に対して、アピールしているのかが
わからないチラシは、誰も見てくれないのです。

見てくれないチラシは、ただのゴミです。
わざわざお金を払って、
各家庭にゴミをばらまいているのです。
あまりにも“もったいない”。

ターゲットを絞らないチラシは、
何度打っても、効果がありません。
誰にアピールするのかをじっくり考え直してください。

あなたのお店によく来てくれるお客さまを
思い描いてください。

そのお客さまひとりに、
話かけるようにチラシを作ればいいのです。

そのお客さまひとりに、
喜んでいただける店づくりをすればいいのです。

お店のイメージづくりは、ここから始まるのです。


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テーマ:独立・開業
ジャンル:ビジネス
私が利用している自動車の修理屋さんがあります。
同じ地区に住む方が家族・兄弟で経営されています。
12年前に移住して来た時から、お世話になっています。

ここのおやっさんは、人当たりが良く、
丁寧な言葉遣いで、簡単な修理なら、
「お金はいいですよ」と言ってくれるような方です。

私が事故に巻き込まれて、
バックミラーが潰れてしまった時のことです。

もうすぐ廃車にする予定の車だったので、
廃車されている車の中から、
使えるものはないかと相談したら、
余っているからと、
新品のミラーを取りつけてくれました。

お金は払うからと言っても、
受け取ってくれませんでした。

ファンベルトの調整もタダにしてくれます。

ラジエターの水が漏れていた時も、
廃車から部品を探し出してきて、
数百円の手間賃だけで、済ませてくれました。

こんなことをしていると、
私からは儲けることができないような気がしますが、
そうではありません。

私は、必ずここで車検を頼んでいました。
安いところと比べると、3万円ほど高かったのですが、
おやっさんにお世話になっているので、
車検で儲けて欲しかったのです。

特に親しいわけではありませんが、
同じ地区に住み、
客と修理屋さん以上の温かいものがありました。

ところが……

おやっさんが喉頭ガンの手術をして、
あまりウマくしゃべれなくなり、
その息子が経営の中心となりました。

それから、客の数は少なくなっていきました。

私が修理を頼んだ時、
ついでにファンベルトの調整も頼んだのですが、
調整料だけに2000円も請求されました。

修理そのものは万単位の金額なので、
これまでのつき合いを考えれば、
調整くらいはサービスしてもいいと思うのですが、
しっかりと取られました。

他の修理の時も、
これまでなら、廃車の中から部品を探してくれたり、
余っているものを使ってくれていたのですが、
必ず新しい部品を注文するようになりました。
すべてが高くなったのです。

それから、車検を頼むのはやめました。
おやっさんには申し訳ないと思いますが、
こんな商売をされては、頼む気になりません。

おやっさんの時には、
儲からなかったのかもしれません。
儲ける商売をすることは大切です。

しかし、先代から利用している常連さん相手に、
こんなやり方はいけません。

二代目というのは、いろんなしがらみがあって、
自由に商売をすることは難しいとは思います。

新しいことを始めていかなければ、
将来が不安なのもわかります。

だとしても、先代が大切にしてきたものを
捨て去ることはできません。
してはいけません。

先代の心意気を大切にしながら、
次の手を考えていくべきです。

一から商売を始めた方も、先達の教えをじっくり考え、
肝に銘じておくことが大切です。


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テーマ:独立・開業
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「お奨めは何ですか?」

「うちは、どれもお奨めです」

あなたもよくご存じのやりとりですよね。
こんなお店はダメだ、という例えで、よくでてきます。

“お奨めはこれだ!”というものが無いお店は、
流行らないのです。
これは、疑いようのないことです。

しかし、お奨めが無いのに、
行列ができているお店があります。
それは、商品がひとつしか無いお店です。

主張はひとつ。“これだけ!”

埼玉県に、「わらじかつ丼」で有名なお店があります。
ラード100%で揚げたかつをタレに浸け、
ついたタレをごはんに垂らしながら、
上にかつをのせます。
玉子は使っていません。
メニューは3つ。

かつ丼(2枚) 800円
大もり    900円
子ども用   700円

かつとごはんの量に差があるだけです。
お客さまは、自分に合った量を選ぶだけ。

失礼ながら、決してキレイとは言えないお店ですが、
大繁盛しています。

“かつ丼を喰う”という明確な目的を持って、
お客さまが来てくれるので、
店主としては迷うことなく、
味を追求することに集中できます。

こうしたお店は、永年のファンを持っており、
やがて老舗と呼ばれるようになります。

主張のハッキリしたお店は、
流行るか流行らないかもハッキリしています。

地域のお客さまに受け入れられなければ、
すぐに潰れますが、一旦受け入れられると、
永く繁盛させることができます。

兵庫県には、穴子寿司だけの寿司屋さんがあります。
カウンターに座ると、
何も言わなくても、穴子寿司が出てきます。

東京には、コロッケパンだけを
売り続ける老夫婦のパン屋さんがあります。

たこ焼き、たい焼きのお店なども、
主張はひとつですよね。

もとはと言えば、露天・屋台と同じことです。
何でも売っている屋台なんて、
面白くもないし、興味もわきません。

“これだ!”というハッキリしたものが無いと、
強力なアピールができないのです。

飲食店以外の話をしましょう。

美容室で考えてみると……

・どんなヘアースタイルも卒なくこなし、
 料金もほどほどのお店。

・ストレートパーマなら、どこにも負けないが、
料金はやや高め。

どちらのお店が、流行っているでしょうか。

前者は常連さんが多く、儲けもほどほど。
しかし、世代が変わるとどうなるでしょう。
外にアピールするものが無いので、
徐々にお客さまは減っていきます。

後者は、多少流行に左右されるものの、
ストレートにしたいお客さまは、遠くからでも、
やって来てくれます。
「ストレートパーマはここ!」
というアピールが、ずっとできます。

流行っているのは、後者なのです。

主張の無い前者は、下降線を。
『たったひとつの売り』がある後者は、流行るのです。

政府が、商店街・小売店を活性化させるために、
「一店逸品運動」を推進していますが、
これなども『たったひとつの売り』と同じ考え方です。

残念ながら、その方法が間違っているために、
成功事例は少ないのですが。

かつ丼や穴子寿司のお店は、
極端な例かもしれませんが、
売りがたったひとつなら、
それだけ、その商品に注力できるということです。

あなたのお店の“売り”をじっくり考え直してください。


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ある日の新聞に載っていた、
読者の投書をご紹介します。



長女は9月、九州を旅行した際、
夜行バスで帰る予定でしたが、
台風の影響で、飛行機や新幹線が
いつ運休になるか分からない状況になりました。

飲食店などが早々と閉店する中、
長女は出発時刻の午後11時まで、
どこで時間をつぶせばいいのか、
途方にくれたそうです。

そんな時、長女は小倉駅前のホテルの玄関に
張り紙を見つけました。

「足止めをされて困っておられる皆様へ。
 当ホテルの4階にてお部屋を開放いたしております。
 遠慮なくゆっくりおくつろぎください」

部屋では湯茶の用意が整い、
食べ物も持ち込み自由とのことで、
長女はホテル内のベーカリーでパンを買うなどして、
出発まで安心して過ごすことができました。

道行くすべての人をお客様とみなし、
状況に対応したホテル側の粋な計らいだったようです。
実にさりげない最高のおもてなしだと感じました。



あなたはこの投書を読み、何を感じましたか?

「心配りのある、優しい人がオーナーなんだろうなぁ」
ですか。
「ウマく宣伝したなぁ」ですか。

確かに、ホテル内のベーカリーで、
パンが売れるだろうという予想はあったかもしれません。

親切にしておけば、
次回利用していただけるかもしれません。
すべて計算かもしれません。

しかし、この女性はどう感じているでしょう。
「宣伝なんだから、気にせず利用すればいいや」
と思ったでしょうか。
違いますよね。

ありがたい。助かった。
心遣いに感動したことでしょう。
心がぽっかぽかになったはずです。

優しさなのか、計算なのかは別として、
人の役に立ったことは間違いありません。

これは、商売人として
『すべて、人はお客さま』という想いがあればこそ、
できることです。

宿泊客以外は関係ない、という意識でいるなら、
こんな親切は考えることすら無かったはずです。

宿泊客は、もちろん一番大切なお客さまです。
しかし、外を歩いている人もお客さまなのです。
これを忘れている店主がたくさんいます。

あなたのお店なら、こんな時、何ができますか。


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『デンマーク地鶏のこんがり炭火ブロシェット』

この料理名を見て、
あなたはどんな料理を想像しますか?

「ブロシェット」というフランス語をご存じの方は、
鶏の串焼きだということはわかります。

「炭火串焼き」という名前だったとしたら、
焼き鳥のようなものだということはわかります。

どちらにしても、
「デンマーク産地鶏」「こんがり炭火」「焼き鳥」
という響きから、“美味しそうだ”“どんな味だろう?”と、
興味を示すのではありませんか。

実は、この鶏肉、2kg680円で売っている
冷凍の業務用なのです。
この鶏肉の産地を見ていて、
私がこの料理名を考えました。

言ってみれば、あまり上質ではない安い鶏肉です。

正体を知ってしまうと、
「そんな安いもの、大丈夫なの?」
と、思ってしまいますよね。

これは、どちらも先入観で見ているから
起こる感じ方なのです。

一方は、“なんとなく”かっこいい名前による、
“美味しそうだ”という先入観。

もう一方は、輸入ものの安い鶏肉という先入観。

同じものなのに、名前ひとつで、
印象が大きく違ってきます。

実際に調理すれば、味つけ次第で、
“安いもの”のイメージはなくなります。
(“本物の”プロにはわかりますが)

私が言いたいのは、
安いものを高く売る方法ではなく、
先入観を持たずに、
「戦術」を考えて欲しいということです。

簡単に言うと、
「輸入モノの安い材料はダメだ」ではなく、
どうすれば美味しくできるか、
どうすれば美味しそうに見えるか、ということです。

これは、料理だけではなく、
他の商品・サービスにおいても言えることです。

商品・サービスの良さを、
どう見せるか、どうアピールするか。

角度を変えて、見てください。
陳列は? 商品名は? キャッチフレーズは?

自分の先入観を捨て、
お客さまの先入観を研究してみてください。
言葉は悪いのですが、
「先入観を利用」するのです。

もちろん、嘘は絶対にいけませんが、
多少の“ハッタリ”は、許されます。

それが、お客さまの満足につながるのなら、
という前提ですが。

『デンマーク産地鶏のこんがり炭火ブロシェット』
という料理名に嘘はありませんが、
言葉による“ハッタリ”があります。

産地がデンマークではなく、
中国やタイなら、どうでしょう。
「安いもの」という先入観しかありませんよね。

「炭火焼き鳥」だけだとしたら、
特に印象には残りませんよね。

そして、もうひとつ。
「地鶏」という言葉。

これは、実際に確認しなければ使えませんが、
「地鶏」というだけで、
“美味しそうだ”という先入観を
持っている方も多いと思います。

日本の場合でいうと、
昔から日本にいる種類だと思っている方が
大半でしょうが、実は違います。

在来種と外来種を掛け合わせたものにも、
「地鶏」という表記が認められています。

つまり、在来種の血が入った、
その地域独自の品種ならば、「地鶏」と呼べるのです。

業界団体の「嘘」のような気もしますが、
それを仕入れるお店には責任はありません。
堂々と表記してもいいでしょう。

話が逸れましたが、先入観はいたるところにあります。

全国いろんな地域で、
産品のブランド化に取り組んでいますが、
結局は、“どう売るか”なのです。

ブランドの中身はハッタリが多くありますが、
“品の良いハッタリ”は、お客さまを満足させます。


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西日本高速道路は、
サービスエリアやパーキングエリアの
レストラン・売店に、
5段階評価のシステムを導入しています。

外部専門家による調査を実施し、
低い評価が続けば、そのお店は退店させられます。

これは、利用者にとって、非常に好ましいことです。

特にレストランでは、
これまで「高い、マズい、遅い」が、
平然とまかり通っていましたから。

一般道にあるお店なら、とっくに潰れているはずですが、
“他に無い”ので、利用者は仕方なく入っていたのです。

つまり、競争の無い、“楽”な経営を続けてきたのです。

羨ましいですか?
本音としては、羨ましいですよね。

しかし、結局はこの評価システムの導入で、
“自店との競争”を迫られたことになります。

これが、商売の本来の姿で、
お客さま第一主義なのです。

競争の無いお店は、進歩しませんし、
儲けることもできません。

そのままでは、“退店”せざるを得ないことになります。

あなたのお店は、“競争”していますか?

「競争するのは大変だよ。
 うちみたいな小さなお店では、その力も無いし」

こんな店主は、“退店”するしかありません。
もう、お店はやめてください。

がんばっているあなたに、
『競争への対処法』のヒントを少し。

■競争にならない、商品・サービスを創る。

これは、ライバルの少ない商品・サービスを
考えるということです。
つまり、「他に無いもの」です。“自店との競争”です。

■競争の無い地域に移る。

ライバルがいなければ、独占市場です。
しかし、高速道路のようにならないためには、
これも“自店との競争”を忘れないように。

■競争を楽しむ。

「面倒だ」「無理だ」という、マイナス思考では、
良いアイデアは絶対に浮かんできません。

『戦略』を練るのは、面白いことなので、
めいっぱい楽しんでください。

考えた戦略が、まんまと成功した時の感動は、
非常に大きなものです。

この感動をあなたも味わってみてください。
どうせ、やらなければいけないのなら、楽しみましょう。


サービスエリア・パーキングエリアの
レストラン・売店から、有名店が生まれれば、
それだけを目的に
高速道路を利用する人が出てくるはずです。

すると、全国で“楽しい競争”になるかもしれません。


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