私は、スーパーに勤めていた時、
あるおばあちゃんのひと言に衝撃を受けました。

それは、お菓子売り場でのこと。

おばあちゃん2人が、あれやこれやお喋りしながら、
ブルボンのお菓子を手に取った時に発した言葉です。

「ブルボンが一番美味しいわなぁ」

私は唖然としました。
田舎のおばあちゃんは味音痴なのか、
他の商品を知らないだけじゃないのか、
と、頭の中では、
グルグルと理由探しが駆け巡っていました。

私は自分の舌に自信があるので、
ブルボンが一番美味しいなどということは、
認められませんでした。
(ブルボンさん、ごめんなさい)

二流のメーカーだという意識で見ていました。

しかし、それ以来、そのひと言が頭から離れず、
ブルボンの商品をじっくり観察するように
なってしまいました。

幸い、毎日スーパーの売り場にいるので、
どんな商品があって、どんな客層で、
どれくらい売れるのかを知ることができます。

「ルマンド」や「ホワイトロリータ」などの袋入りは、
中高年以上の女性。
「プチシリーズ(小さなお菓子が筒状の袋に
入っているもの)」は、子どもから若い主婦まで。

商品ごとに、幅広い客層を
獲得していることもわかりました。

また、私もあれこれ買って食べるようになり、
ブルボンの良さがわかってきました。

昔食べた懐かしい味がしたり、
どこかで食べたことのあるような味だったりして、
「これはマズい」というものが無いのです。

逆に、「これは無茶苦茶美味しい」
と思えるものもありませんが。

これが何を意味しているのかを考えると、
『ロングセラー』の秘密がわかるのです。

美味しいものを毎日食べていると、
その味が当たり前になり、
美味しいとは思わなくなります。

日常はごく平均的なものを食べていて、
たまに美味しいものを食べるから、
それを美味しいと感じるのです。

つまり、美味しいものばかりは飽きてしまうのです。

そんな商品は、ヒットしても
ブームで終わってしまいます。

ブルボンは、「日常のごく平均的なもの」だと言えます。

ごはんや味噌汁、漬け物が毎日食卓に並ぶからといって、
文句を言う人はいません。

無ければ、却って淋しく感じます。
食卓にあると、“安心”する食べ物なのです。

まさにブルボンは、そんな存在です。

新しいお菓子が毎日のように発売されますが、
興味が持てなければ、
“安心”するブルボンに手が伸びます。

ある程度美味しいことがわかっているからです。
「間違いが無い」と言い換えることもできます。

特に歳を取ると、食の嗜好も保守的になってきますので、
冒険をする新しいお菓子よりも、
“安心”のブルボンを選んでしまうようです。

このように、“安心”で選ばれ続けるのは、
驚異的なことです。
味は二流でも、企業としては一流だと言えます。

ブルボンが、意図的にそういう戦略を
取っているのかどうかは知りませんが、
素晴らしい企業だと思います。

トップを目指すだけが、ビジネス・商売ではありません。
2番手3番手を長く続けていくのも立派なことです。

「ブルボンが一番美味しいわなぁ」

わかるような気がします。


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