随分以前のことですが、
ユニバーサルシティウォーク大阪にある、
「大阪たこ焼きミュージアム」へ行きました。

大阪の有名たこ焼き店5店舗が集まった空間です。

元大阪人としては、
一度は行かなければなるまい、と思っており、
楽しみにしていました。
しかし、期待は裏切られました。

私のまったく個人的な感想として、
お読みいただきたいのですが、
大したことありませんでした。

期待が大き過ぎたのかもしれませんが、
美味しくありません。

確かに、大阪では有名なお店ですし、
それぞれに特長があります。
お客さまもたくさん入っています。

私は、5店舗すべてのたこ焼きを食べてみましたが、
“これは!”と思うものがありませんでした。

どうしてだろう?と、あれこれ考えてみて、
あるたこ焼き店との共通点を見つけました。

それは、「演出」のウマさばかりが目立っており、
「商品力」が弱いということです。

あるたこ焼き店とは、
さまざまな商業施設に出店している、
有名チェーン店のことです。

たこ焼きの仕上げに油を注ぎ、揚げたこ焼きにし、
ねぎをたっぷりのせるのが特長です。

このお店は、店員の手さばきの早さや
店員間の流れ作業のウマさ、
そして、やたらとデカい声で作業の解説をしたり、
お客さまを呼び込んでいるのも特長です。

たこ焼きミュージアムのお店でも、
まったく同じことをやっているのです。

「見せる演出」と「聞かせる演出」で、
お客さまに“驚き”を与えているのです。

美味しいと思い込ませているだけです。

たこ焼きという食文化は、
地元商店街の小さなお店でおばちゃんが焼いていたり、
駄菓子屋の店先で焼いているものです。

狭い地域内で、ほんの数店が
競い合っているに過ぎないもののはずです。

その周辺の人間が、その中から、
美味しいお店のファンになって、
“おやつ”として買って帰るのです。

地域に根づいている食文化です。

時には、美味しいお店があるからと、
遠くまで行くことはありますが、
そのお店がチェーン店化されていないから、
行くのです。

ここに出店しているお店も、
最初は地域に根づいた商売をしていたはずです。

しかし、そんなお店でも、儲かると次々にお店を出し、
たこ焼きの味を落としていくのです。

それは、ごく当然のことで、
店主の眼が届かなくなると、
少しずつ味は変わるものです。

さらに、お客さまに“ウケる”商品を
考えるようになります。

すると、メニューが増え過ぎ、
ひとつひとつにこだわりがなくなっていきます。

チェーン店化を否定しているわけではありません。

ビジネスとして、勝機があるのなら、
やればいいいでしょう。

しかし、「老舗」にはなれません。

本当に美味しいたこ焼きを食べて欲しい、
という情熱を持っている店主にはお奨めしません。

眼の届く商売は、3店舗が限度だと思います。
しかも、1日でまわれる距離にあること。

全国チェーンにしたいとか、
上場したいと言われる社長がいますが、
本当にそれでいいのでしょうか。

お店が大きくなるほど、自分の存在は小さくなります。

ましてや上場すると、自分のお店ではなくなります。
最近の経済界を見れば、わかることです。

自分の眼の届く範囲の商売をすることが、
本当の商売人、本物の商売なのです。

たこ焼きミュージアムには、
たくさんのお客さまが来ていますが、
それは場所が良かっただけです。

USJに来た全国の人が、
大阪の味を楽しみたいと、立ち寄るからです。

しばらくは、繁盛するでしょう。
大阪人は、一度行けば、もう行かないと思いますが。

たこ焼きは、パフォーマンスで
売るような食べ物ではありません。
どちらかと言うと、地味です。

しかし、地域の人に愛されている“おやつ”なのです。

その文化の範疇から飛び出し、
たこ焼きを広めようとする動きは、
歴史あるたこ焼き文化そのものを
破壊するものではないかと心配しています。

少し大袈裟かもしれませんが、
儲け主義に走る商売人に、警鐘を鳴らしたいのです。


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